要点
- オーストラリアの年金基金ARTが、円の保有比率をここ数年で最大まで引き上げた。
- 市場は日銀の利上げを過小評価しており、円は割安であると判断している。
01
豪年金基金ARTが円の保有比率を拡大
約3700億豪ドル(約42兆2300億円)を運用するオーストラリアン・リタイアメント・トラスト(ART)は、過去6カ月間にわたり円の持ち高を積み増しました。
同基金のシニアポートフォリオマネジャー、ジミー・ルーカ氏によると、米ドルへのエクスポージャーを減らすことで円の保有を拡大しており、機動的な資産配分戦略の一環として円をオーバーウエートとしています。
02
日銀の利上げを巡る市場との認識の差
市場の多くの投資家が円売りを狙う中、今回の動きは対照的な円強気のポジションです。 ルーカ氏は、市場がエネルギー価格上昇による円への悪影響を織り込む一方で、日銀の利上げ可能性を低く見積もり過ぎていると指摘しています。
スワップ市場では9月の利上げ確率が約80%と織り込まれていますが、同基金は日銀がエネルギー価格高騰で政策運営が困難になる前に、年内に2回の利上げを行う可能性を示唆しています。
03
日銀の利上げが円相場に与える影響
日銀が市場の想定に沿って利上げを進めれば、日本の利回りがさらに上昇する余地があるとの見方が示されています。 エネルギー価格の高止まりという懸念材料があるものの、現状では日銀の利上げペースが円の支援材料になると判断されています。
📌 確認ポイント
日銀の実際の利上げ回数と時期
日銀が年内に2回の利上げを実施するかどうかで、円の割安感に対する市場の評価が変化する可能性がある。
エネルギー価格の推移
エネルギー価格がさらに上昇し、日銀の政策運営を困難にする事態が発生した場合、利上げペースの維持が難しくなる可能性がある。
主要出典