高齢者の家庭内転倒、骨折を防ぐには?消費者庁が9月11日注意—段差・浴室・コードを点検
高齢者の転倒は屋外だけの問題ではありません。消費者庁は2026年9月11日、家庭内で段差につまずく、浴室で滑る、コードに足を取られる、ソファから立ち上がる際にバランスを崩すといった事故例を示し、骨折などの重いけがにつながるとして注意を呼びかけました。
家の中を「段差」「浴室・脱衣所」「床の物・コード」「立ち上がり」の4か所に分けて点検すると、対策漏れを減らせます。
1. 実際にどんな転倒が起きている?
消費者庁には、庭へ出る段差でつまずき大腿骨を骨折した80歳代、浴室で滑って後頭部を負傷した70歳代、室内のコードにつまずき膝を骨折した70歳代、ソファから立ち上がる際に転倒して腰椎圧迫骨折となった70歳代の事例が寄せられています。
2. 玄関・階段・段差は何を直す?
・手すりを設ける
・階段や段差の先端に滑り止めを付ける
・足元を照らす照明を追加する
・必要に応じて段差解消スロープを検討する
特に夜間のトイレ移動や玄関の上がり框などは、明るい時間には気付かない危険が出やすい場所です。家族が実際に歩くルートを夜にも確認し、暗い部分や手をつく場所がない区間を見直しましょう。
3. 浴室・脱衣所は「滑る前提」で考える
浴室はぬれた床やせっけんの泡、浴槽への出入りで滑りやすくなります。消費者庁は手すりの設置、足元への注意、脱衣所の滑り止めマットなどを対策として挙げています。
浴室だけでなく、浴室から出た直後の脱衣所まで一続きで確認するのがポイントです。
4. 床のコード・カーペット・荷物を減らす
床にはできるだけ物を置かず、電気製品のコードが歩行ルートを横切らない配置にします。カーペットの端がめくれやすい場合は滑り止めを使い、つまずく原因を減らします。
家族で5分点検
① 廊下にコードが出ていないか
② カーペットの端が浮いていないか
③ 夜間の動線に荷物がないか
④ 玄関・階段が暗くないか
⑤ 浴室と脱衣所に滑りやすい場所がないか
5. 立ち上がる時の転倒も見落とさない
椅子やソファ、ベッドから急に立ち上がると、ふらついて転倒することがあります。消費者庁は体勢を変えるときはゆっくり動き、安定した近くの物につかまるよう案内しています。
環境を整えるだけでなく、本人に合った適度な運動を続け、筋力や体力の低下を防ぐことも予防の一部です。
6. 転んだ後、様子見だけで大丈夫?
強い痛み、頭を打った、立てない、意識や様子がおかしいなどがある場合は、家庭での転倒対策とは別に医療機関や救急へ相談してください。この記事は事故予防のための情報で、けがの重症度を自己診断するためのものではありません。
敬老の日をきっかけに、本人だけでなく家族と一緒に「いつも歩く場所」を実際に歩いて確認すると、危険箇所を見つけやすくなります。
よくある質問
Q. まず何から直す? → 段差、浴室、床のコード・物、夜間照明を優先して確認します。Q. カーペットは全部外すべき? → 一律ではなく、めくれや滑りがある場合に滑り止めなどで対策します。Q. 運動だけで防げる? → 環境整備とゆっくりした動作、本人に合った運動を組み合わせることが重要です。