分電盤の点検商法、相談6,545件で約5倍に|本物の法定点検との見分け方
「電力会社の者です。分電盤の点検に伺います」と電話が来ても、すぐに家へ招き入れる必要はありません。
国民生活センターの2026年9月16日公表によると、分電盤の点検商法に関する相談は2024年度1,290件から2025年度6,545件へ約5倍に増えました。2025年度の契約当事者は70歳以上が8割超を占めます。
正式な電気設備の法定点検は4年に1回以上、事前に書面で案内されます。正規の調査員がその場で分電盤交換の工事契約を勧めることはありません。
なぜ注意?相談は前年度の約5倍
相談件数は2022年度14件、2023年度39件、2024年度1,290件、2025年度6,545件と増えました。2026年度も7月31日までに2,223件が登録されています。ただし年度途中の数と通年の数字は単純比較できません。
実際の相談では、電力会社を名乗る業者から「法律で分電盤の耐用年数は15年」「漏電して火事になる」と説明され、約14万円の交換工事を契約。後から電力会社に問い合わせると無関係の業者だった例が公表されています。
不安をあおる説明を聞いても、その場で工事契約を決めない。点検の目的と必要性を自分で確認することが大切です。
本物の法定点検とどう見分ける?
経済産業省の案内では、電力会社などによる家庭の電気設備の法定点検は4年に1回以上行われ、点検日時は事前に書面で通知されます。電話で点検日時を案内することはなく、その場で交換工事を契約させることもありません。
作業員は身分証等を携帯しますが、制服や名刺だけでは判断できません。電力会社の公式ウェブサイトや自分の検針票にある連絡先から確認してください。相手が教えた電話番号へかけるだけでは裏付けが不十分です。
確認のポイントは「事前の書面通知」「その場で交換工事を勧めない」「公式窓口で予定を照会できる」です。
「法律で15年交換義務」は本当?
法定点検を行うことと、すべての家庭で分電盤を一律15年で交換しなければならないという説明は別です。老朽化や不具合で交換が必要な場合はありますが、営業員の言葉だけで即決しないでください。
本当に設備が不安な場合は電力会社や資格のある電気工事業者に相談し、工事の必要性、施工範囲、金額、保証内容を確認します。分電盤交換には電気工事士の資格が必要です。
焦げ臭い、発煙・火花など現実の危険がある場合は、分電盤を自分で分解・修理せず、安全を確保して電力会社や消防へ相談してください。
すでに契約した・支払った場合
契約書、見積書、領収書、名刺、着信履歴、訪問日時、説明内容を保存します。工事が行われたか、支払済みかどうかも控えましょう。消費者ホットライン188へ相談してください。
訪問販売に該当する場合、法定書面を受け取った日などを起点に8日間のクーリング・オフが利用できることがあります。書面の不備やクーリング・オフ妨害、勧誘の状況などによって判断が異なるため、8日を過ぎても諦めず相談しましょう。
クーリング・オフの通知は書面のほか、条件によってメールなどの電磁的記録でも可能です。送信先・内容・送信日が分かる記録を残してください。
家族と共有したい予防ルール
高齢の家族には、「点検の電話があれば家族へ相談」「工事はその場で契約しない」「公式の電力会社へ自分で確認」というルールを伝えておきましょう。
交換の必要がある場合も、見積もりを持ち帰って比較できる時間を作ります。急いで契約させる業者より、説明の根拠と資格を確かめることが重要です。
よくある質問
Q. 正式な点検は電話で日時が伝えられる?
経済産業省の案内する法定点検では、日時を事前の書面で通知し、電話で知らせることはありません。公式窓口に確認してください。
Q. 分電盤は15年で必ず交換?
その説明だけで義務と判断しないでください。必要性は設備の状態と専門家の判断で確認します。
Q. 契約して8日を過ぎたら何もできない?
必ずしもそうではありません。書面不備・勧誘の事情等を含め、188へ相談してください。
突然の勧誘には「契約しない・公式窓口で確認する・188へ相談する」が基本です。
出典・参考資料
国民生活センター:公式サイト
経済産業省:公式サイト
消費者庁・特定商取引法ガイド:公式サイト