首都圏への本社転入204社、上半期10年最多—転出173社との「31社差」をどう読む

2026.09.25 · PickNote
2026年上半期までの首都圏本社転入・転出社数の推移グラフ

30秒まとめ

帝国データバンクの2026年上半期調査では、地方から首都圏へ本社を移した企業は204社で、過去10年の上半期として最多でした。首都圏から地方への転出も173社と高水準で、差し引き31社の転入超過です。単純な「東京回帰」だけでなく、成長段階の中小・中堅企業の流入と、小規模企業を含む地方転出が同時に起きている点がポイントです。

01

転入204社、転出173社で31社の転入超過

2026年1〜6月に地方から東京・神奈川・千葉・埼玉へ本社を移した企業は204社で、前年同期の200社を4社上回りました。反対に首都圏から地方へ移した企業は173社で、前年同期の150社から23社増えています。差し引きは31社の転入超過です。転入だけでなく転出も増えているため、「地方移転が止まった」と読むより、企業ごとに立地を見直す動きが活発になったと捉える方が実態に近い数字です。

02

流入は売上1億〜100億円未満の企業が中心

首都圏へ転入した企業では、売上高1億〜10億円未満が88社、10億〜100億円未満が33社で、合計121社でした。一方、1億円未満は76社です。一定の事業基盤を持つ中小・中堅企業が、顧客・人材・情報が集まる首都圏で成長機会を求める動きが目立ちます。転出側では1億円未満が73社と前年同期から18社増え、企業規模によって立地判断が分かれている点も確認できます。

03

サービス業76社、コンサル・ITが首都圏流入をけん引

業種別の転入ではサービス業が76社で最多でした。内訳では経営コンサルタント13社、他の事業サービス12社、ソフトウェア受託開発5社など、顧客や高度人材との接点を重視する知識集約型サービスが目立ちます。地域別では大阪府から40社、茨城県から20社が首都圏へ移転しました。出社回帰や対面営業の重視が、本社機能の置き場所を再検討する材料になっていると調査は指摘しています。

04

「本社」の定義と集計範囲を確認して数字を読む

この調査の「本社」は実質的な本社機能がある事業所を指し、商業登記上の本店所在地と一致しない場合があります。また首都圏内の県境をまたぐ移転は集計対象外です。204社・173社という数字は全国すべての住所変更ではなく、首都圏と地方をまたいだ移転の把握値です。今後はオフィス賃料、人材確保、BCP、地方拠点強化策などが、転入・転出の両方向にどう作用するかを分けて見る必要があります。

📌 チェックポイント

  • 地方→首都圏の転入は204社で過去10年の上半期最多
  • 首都圏→地方の転出は173社、差し引き31社の転入超過
  • 転入企業は売上1億〜100億円未満が121社
  • 首都圏内の県境移転は調査対象外

出典・参考資料