要点
- 韓国銀行は物価上昇の長期化と金融脆弱性への懸念から、政策金利の連続引き上げを断行した。
- 申総裁は、対応の遅れによるコストを最小化するため、従来の慣例を外れた「鍬」による先制的な政策運営が必要だと強調した。
政策金利の連続引き上げと「先制対応」の意図
韓国銀行の申鉉松総裁は、金融通貨委員会後の記者会見で、政策金利の連続引き上げが「これまでの慣例からやや外れた措置」であることを認めつつ、物価安定とマクロ経済の安定化に向けた先制的な対応であると説明しました。
申総裁は、今回の対応を「鍬(くわ)」に例え、対応が遅れた場合に生じるコストを最小限に抑える意図を強調しました。 また、今後の利上げペースについては「緩やかなものになる」とし、ドットチャートの中央値は3.25%であることを示唆しました。
物価上昇と金融脆弱性への懸念が背景に
利上げの背景には、所得環境の改善と力強い成長が続く中で、物価上昇の動きが広範囲かつ長期化するとの判断があります。 また、首都圏の住宅価格が2桁の上昇率を記録するなど、金融脆弱性指数が急上昇していることも大きな要因です。
申総裁は、金利だけで住宅価格を抑えることは困難としつつも、リスク選好の低下を通じて金融安定に寄与するとの見解を示しました。 一方で、脆弱な借主への配慮として、中小企業向けの金融仲介支援貸出金利は1.25%に据え置いています。
今後の利上げペースと経済状況への影響
韓国銀行は、今後6カ月以内にあと1回の利上げを行う緩やかな引き上げ路線を想定しています。 政策金利が3%台に入る中、経済主体への影響を点検しながら、毎回の会合をその時々の状況を踏まえて判断する「ライブミーティング」とする方針です。
為替市場については、ウォン高ドル安が進み安定化の兆しがあるものの、依然としてウォン安水準にあると評価しており、先制的な金利対応がさらなるウォン高を促し、輸入物価の上昇を相殺する効果も期待されています。
10月の会合前に発表される物価指標の結果が、現在の緩やかな利上げペースの維持を正当化するか、あるいは引き締め強化の必要性を示唆するかを判断する材料となる。
9月初めに発表されるGDP速報値や心理指数が、力強い成長と所得環境の改善を裏付けるかを確認し、現在の金融政策の前提条件が維持されているかを評価する。