法人の既存建物取引、5月は5.2%減—住宅5.7%減・非住宅8.1%減、指数269.0の見方
30秒まとめ
国土交通省が8月31日に公表した2026年5月の法人取引量指数は、合計の季節調整値が269.0で前月比5.2%低下しました。住宅は5.7%減、非住宅は8.1%減で、指数269.0は「269件の取引」ではなく2010年平均=100に対する水準です。
1. 合計269.0、前月281.6から5.2%低下
法人取引量指数は、法人が取得した既存建物の所有権移転登記を加工して指数化した統計です。2026年5月の合計季節調整値は269.0で、4月の281.6から5.2%低下しました。月ごとの季節的な癖を調整した値なので、前月との動きを追いやすい指標です。
2. 住宅299.5、非住宅215.2と下げ幅に差
住宅合計は299.5で前月比5.7%減、非住宅は215.2で8.1%減でした。住宅の内訳では戸建住宅が355.0で6.2%減、マンションが250.6で4.2%減です。全区分が同じペースで動いているわけではないため、「法人の不動産取引が5.2%減った」という合計だけで個別市場を説明しない方が正確です。
3. 269.0は取引件数ではなく2010年平均を100とした指数
この指数の基準は2010年平均=100です。269.0は「5月に269件取引された」という意味ではなく、基準年の平均に対して取引量の水準がどこにあるかを示します。絶対件数や取引金額、価格上昇率を直接示す統計ではないため、価格指標と組み合わせて見る必要があります。
4. 試験運用統計なので、価格・用途・地域データと併用する
法人取引量指数は試験運用として公表されています。法人の売買活動の方向を見る材料にはなりますが、価格や利回り、空室率、地域別需要まではこの指数だけで分かりません。投資判断や事業用物件の売買判断では、不動産価格指数や賃料、地域の成約データと併せて確認するのが適切です。