仙台・佐元工務店のCLT新社屋が開業—6m通し壁、CLT50㎥で木造非住宅を実証
30秒まとめ
仙台市の佐元工務店は9月26日、若林区古城に新社屋をグランドオープンしました。特徴は、CLTを使った「壁勝ち通し壁+軸組み併用構法(ルート3)」を同社として初採用した点です。みやぎCLT普及促進事業の採択を受け、CLT使用量は50㎥。最大製作寸法6mを生かし、2層を貫く通し壁として構造に利用しました。地域向けスペースや防災拠点機能も設け、木造非住宅の実証的なショールームとしての性格を持たせています。
1. 9月26日、仙台市若林区古城で新社屋がグランドオープン
1955年創業の佐元工務店は、創業70周年を経た次の拠点として仙台市若林区古城3丁目に新社屋を開設しました。単なる事務所の建て替えではなく、自社の木造建築技術を見せる実証空間と、地域住民やクリエイターが利用できる交流拠点を兼ねる計画です。住宅だけでなく、事務所や店舗など非住宅分野で木材をどう使うかを示す事例として注目できます。
2. CLT50㎥を使い、最大6mの部材を2層貫通の通し壁に
CLTは板を繊維方向が直交するよう積層接着した構造用木質材料です。新社屋は「CLT壁勝ち通し壁+軸組み併用構法(ルート3)」を採用し、CLT使用量を50㎥に設定。最大製作寸法6000mmを生かして、2層を貫く水平力負担構造の通し壁としました。木を見せる意匠だけでなく、構造体としてCLTを使っている点が重要です。
3. 木造化の価値はCO2だけでなく、構造・調達・施工条件で決まる
木材は成長過程で吸収した炭素を建物内に固定できるため、CLT活用は脱炭素の文脈で語られます。ただし建物全体の環境性能は、材料製造、輸送、施工、断熱・設備、更新周期まで含めて評価する必要があります。今回の新社屋はCLT普及促進事業の採択案件であり、補助制度と構造設計を組み合わせた実例として見ると、同様の非住宅木造を検討する事業者にも参考になります。
4. 地域向けフリーエリアと防災機能まで含めた「使われ方」を確認
社屋の一部にはフリーエリアやミーティングスペースが設けられ、イベントやワークショップ利用を想定しています。グリーンショップ「KIVI」も開設し、防災面では非常時の安全確保を意識した構造としています。建築技術としてのCLTだけでなく、地域拠点としてどの程度継続利用されるか、維持管理コストや木部の経年変化がどう評価されるかも今後の確認点です。
📌 チェックポイント
- 2026年9月26日に仙台市若林区古城でグランドオープン
- CLT使用量50㎥、最大6mの部材を2層貫通の通し壁に活用
- 地域向けフリーエリア、グリーンショップ、防災機能を計画