理研がゴードン・ベル賞2026で2件最終候補—1万2635原子と5.4兆粒子

2026.09.28 · PickNote
理化学研究所計算科学研究センターのスーパーコンピュータ富岳

30秒まとめ

理化学研究所は9月25日、研究者が参画する2つの国際共同研究が2026 ACMゴードン・ベル賞の最終候補に選ばれたと発表しました。1件は量子計算とスーパーコンピュータを組み合わせた1万2635原子規模の分子シミュレーション、もう1件は最大5.4兆粒子で天の川銀河を星一つ一つのスケールまで追う計算です。どちらも「受賞」ではなくファイナリストで、結果は11月のSC26で発表されます。

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1. 最終候補は2件、まず「受賞決定」ではない点に注意

ゴードン・ベル賞はACMが主催し、大規模高性能並列計算の科学技術応用で顕著な成果を表彰する賞です。2026年は理研研究者が関わる2プロジェクトがファイナリストに入りました。最終的な受賞結果は、11月15〜20日に米シカゴで開かれるSC26で発表予定です。ニュースを見る際は「理研が2件選出された」ことと「賞を受賞した」ことを混同しないのが第一の確認点です。

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2. 量子×スパコンで1万2635原子、前年級の計算を大きく拡張

クリーブランド・クリニック、理研、IBMの研究は、量子コンピュータでモデル化されたものとして過去最大となる1万2635原子規模の生物学的分子シミュレーションを実現しました。量子計算だけで全てを処理するのではなく、量子と古典スーパーコンピュータの得意分野を組み合わせる「量子中心スーパーコンピューティング」が核心です。IBMの説明では、先行研究で最大94量子ビット、約6000回の量子演算を使い、富岳やMiyabi-Gと連携して計算を統合しました。

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3. もう1件は天の川を最大5.4兆粒子で計算、AIも使う

もう一つの国際共同研究は、Aurora、Frontier、JUPITERという異なるエクサスケール級システムを使い、星・ガス・ダークマターを合わせて最大5.4兆個の粒子で天の川銀河を計算しました。異なるGPU環境でも同一コードを高効率に動かす設計に加え、超新星爆発の計算をAIで高速化したことがポイントです。単に粒子数を増やしただけでなく、実機の違いをまたいで計算を実行できる汎用性も評価対象になっています。

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4. 創薬や宇宙研究への期待は大きいが、実用化時期とは別問題

分子の結合エネルギーをより精密に計算できれば、将来は薬剤と標的タンパク質の相互作用解析などへの応用が期待されます。また、銀河の星形成を個々の星のスケールで追えることは宇宙物理のモデル検証に役立ちます。ただし今回の発表は計算手法の研究成果と賞の最終候補選出です。新薬開発や商用量子計算の実用化が直ちに実現したわけではありません。11月の受賞結果と、論文で示される精度・計算コスト・再現性を確認したいところです。

📌 チェックポイント

  • 理研が参画する2プロジェクトが2026 ACMゴードン・ベル賞の最終候補
  • 分子計算は1万2635原子規模、銀河計算は最大5.4兆粒子
  • 受賞結果は11月15〜20日のSC26で発表予定

出典・参考資料