後継者不足の「地域の宝」を可視化、継業バンクが取り組む事業承継支援の仕組み

2026.08.28 · PickNote

要点
  • 後継者不足に悩む小規模な店舗や伝統技術を地図上で可視化し、承継を支援する「みんなでつくる残したい仕事マップ」が公開された。
  • 従来のM&A対象外となる地域資源を対象に、自治体連携や民間版の仕組みを通じて事業存続の可能性を広げている。
01

全国約500件の「残したい仕事」を地図化

広告会社ココホレジャパンが運営する「ニホン継業バンク」は、2026年7月に「みんなでつくる残したい仕事マップ」を公開しました。

これは、市民から寄せられた「残したい」と思う地域のお店や技術、伝統文化などの情報を日本全国から約500件集約したものです。 同バンクは2020年から活動しており、これまで52件の事業承継を成立させてきました。

現在は22自治体がサイトを窓口として活用しているほか、2026年2月からは譲渡側が費用を負担する「民間版」の仕組みも導入されています。

02

M&A対象外の小規模事業を救う可視化の意義

地域に根ざした小規模な事業は、高額な手数料を要する一般的なM&A市場では対象外となりやすく、後継者不足による消滅の危機に直面しています。 同バンクは、こうした「地域の宝」を情報の可視化によって当事者や支援者と結びつける役割を担っています。

また、青森県つがる市や兵庫県豊岡市など4市町がマップ作成に協力しており、住民の声を地域づくりや事業承継に直接反映させることで、単なるマッチングを超えた地域活性化のツールとして機能させています。

03

地域資源の可視化から実質的な承継への転換

現在、同バンクの取り組みは、自治体との連携による公的な支援枠組みと、譲渡側が費用を負担する民間版の二軸で展開されています。 約500件の投稿が集まったことで、これまで埋もれていた地域資源の所在が明らかになりました。

今後は、マップに掲載された情報が実際にどれだけ具体的な承継交渉や賃貸契約へと結びつくかが、この仕組みの有効性を測る指標となります。 自治体による情報収集と、民間によるマッチングの連携が、地域経済の維持にどこまで寄与できるかが現在の焦点です。

📌 確認ポイント
01

マップ掲載案件の成約率

マップに掲載された約500件の案件のうち、実際に事業承継や賃貸契約に至った件数の推移が、本施策の地域経済への実効性を判断する材料となる。

02

自治体連携の拡大状況

現在4市町が協力しているマップ反映の取り組みが、他の自治体へどの程度波及し、地域づくりと連動した承継支援のモデルとして定着するかを確認する。

📌 出典・参考資料

主要出典