NICT「Pi-SAR X3」観測データ配信を開始—大学・自治体向け、熊本地震データも検索可能
30秒まとめ
NICTは9月3日、航空機搭載合成開口レーダー「Pi-SAR X3」の地表面観測データを検索・配信するWebサービスを開始しました。対象は国内の大学・教育機関、研究開発法人、国や地方公共団体などで、ユーザー登録後に利用できます。7月28日の熊本地震を受けて取得した観測データも同システムから利用可能です。
1. 9月3日にPi-SAR X3の検索・配信Webサービスを公開
NICTは、Pi-SAR X3で取得した地表面観測データをWeb上で検索し、配信を受けられるサービスを9月3日にオープンしました。公開対象は一般の個人向け画像閲覧サービスではなく、日本国内の大学などの教育機関、国立研究開発法人、国の行政機関、地方公共団体などです。利用にはユーザー登録が必要です。
2. 熊本地震後の7月31日観測データも利用対象
2026年7月28日に発生した熊本地震を受け、NICTは7月31日にPi-SAR X3で熊本周辺を観測しました。NICTは、この観測データも新しい検索・配信システムから利用できると案内しています。災害発生後の地表変化を研究・行政で検討する際、過去の観測プロダクトへ同じシステムからアクセスできる点が実務上の変化です。
3. X帯SARは昼夜・雲の有無に左右されにくい
Pi-SAR X3はX帯の電波を使う航空機搭載SARで、NICTは昼夜や天候を問わず、雲があっても上空から広範囲の地表面を高精細に観測できると説明しています。光学写真とは観測原理が違うため、災害時の悪天候や夜間でも観測手段の候補になります。ただし、SAR画像の解釈には専門知識が必要です。
4. 利用者は対象資格・登録・データ条件を先に確認
研究や自治体業務で使う場合は、まず自分の所属機関が利用対象に含まれるかを確認し、ユーザー登録を行います。そのうえで観測日時、エリア、プロダクト種別などを検索し、研究目的や防災業務に合うデータかを確認する流れです。一般向けの災害速報の代替ではないため、避難判断は気象庁や自治体の防災情報を利用してください。